掲載日 2019/07/25
クジラは大人にも子どもにも、広く、根強い人気があり、関心度の高い海の生きものの代表格と言っても。小型のハクジラ(イルカ)から20mを超える大型のヒゲクジラまで、美しい流線形の身体や雄大に泳ぐ姿、迫力のあるジャンプなどは人々の心をとらえてやみません。
日本内外において古くから絵画や立体造形などのモチーフになり、骨やヒゲなど身体の部位は生活用品・嗜好品がつくられるなど、様々な形で表現・利用されてきました。
本展は浮世絵をはじめとした絵画や立体造形作品、クジラをかたどった民芸品、クジラを素材とした絵本や学習書などを展示し、特にヴィジュアル的な面から、子どもたちや海外の方でも感覚的・直感的に、クジラの魅力、面白さを知り、ひいては海に対する興味を深めていただけるよう企画しました。
ⅰ.地域の捕鯨とクジラへの感謝
伊勢湾から志摩半島か、熊野灘沿岸で営まれていた捕鯨の歴史や、生きものへの感謝と供養の祈りを込めた祭礼、全国のクジラの供養塔(クジラ塚)について、古文書や漁具、祭礼用具などを使って紹介します。
展示候補資料:鳥羽市相差天王祭のクジラ型こども神輿、鈴鹿市長太のクジラ張り子、捕鯨具、万祝、クジラ供養碑の拓本、捕鯨具(銛、鼻きり庖丁、火縄銃式の捕鯨銃ほか)捕鯨関連古文書 ほか
ⅱ.クジラを描く
浮世絵や捕鯨絵巻、屏風図など実物の絵画作品を多数展示することで、ながきに渡り、クジラや海そのものが人の創作意欲をかき立て、見る人たちの心も魅了し続けてきたことを知っていただきたいと思います。
展示候補資料:クジラを描いた日本画・洋画、浮世絵類、版画、国芳「宮本武蔵の鯨退治」顔出しパネル
ⅲ.クジラをかたどる
クジラは立体造形・平面問わずに世界中でアート作品や民芸品等になっており、且つ日本では食用だけでなくヒゲや歯、骨、皮などが日用品や嗜好品、信仰用具など多方面で利用されてきました。これらの実物資料を多数展示することで、クジラのアートな魅力や、資源を無駄なく利用するする日本の文化を学んでいただくことができます。
展示候補資料:クジラを模した置物、彫刻、民芸品、立体アート作品
クジラのヒゲ・歯・骨などを使った彫刻・日用品(靴ベラ、枕ほか)・嗜好品(将棋のコマ、麻雀パイほか)・からくり人形・イルカの耳骨(布袋石)など信仰関連資料、食品パッケージ、切手 ほか