掲載日 2018/06/25
西洋では”悪魔のサカナ”として嫌われることも多いタコですが、日本においては古くから食されてきた、食卓でもなじみの深い生きものです。高タンパク低カロリーで、肝機能の維持に効果があるとされるタウリンや、免疫力を高める亜鉛などを含、人の体を元気にしてくれます。
食べてうれしいだけでなく、全国的にタコ薬師やタコ神、タコ地蔵などが存在し、タコを信仰し、願掛けをする風習が、現在も根強く残っています。さらに近年では、”置くとパス”(=オクトパス=受験の願掛け)や”多幸”(=開運祈願)などのキーワードと、ユーモラスな形態も相まって、モニュメントやキャラクターデザインなど地域振興に利用されており、タコ信仰・祈願および活用は拡大し続けています。
不思議な形態から恐れ、訝しがられながらも信仰と関心を集め続ける、ミステリアスな海の生きもの、タコに対する日本人の視線を多面的にとらえることによって、人と海の生物との密接なかかわりを感じ取っていただくことができるよう本展を企画しました。
内容
①タコへの信仰と伝承~タコがココロを元気にする?~
日本全国のタコ薬師やタコ地蔵など、タコにまつわる伝統的など信仰や、近年の新たに生まれてきた願掛けのムーブメント、民話・伝承について、絵馬 や祭具、古文書などを使って解説します。オクトパスにあやかって合格できるかも??来たれ!受験生。
②タコの捕り方いろいろ~釣って、ひっかけて、ワナしかけ~
タコ漁というと明石などが有名ですが、鳥羽も海流でもまれた美味しいタコが捕れる特産地で、秋から冬にかけては宙に吊るされた干ダコが漁村の風物 詩になります。タコ漁の歴史や漁師の知恵がつまった漁法、海女さんとタコの関係などを、数千年前のタコつぼや現在の様々な漁具、浮世絵、標本など から学ぶことができます。
③タコ食と地域振興~おいしいタコで、わがまち元気百倍!~
王道のタコ料理や、全国の郷土食をご紹介するとともに、景観デザインやキャラクターなどまちづくりにおけるタコの活用事例を、多くの画像やグッズ 類などをつかい紹介します。函館や広島などからタコデザインのマンホールも集合します。