掲載日 2018/01/22
鳥羽市は伊勢志摩国立公園に位置する自然豊かな観光地。古くから漁業が盛んで、日本一海女が多いまちでもあります。第2回鳥羽美術展では、鳥羽の漁業が持つ魅力をリンダ・デニス氏の作品を通じて紹介します。
一般的に美術館の多くは、基本的に「見る」ための施設となっています。展示物はガラスケースの中にあり、触れる機会はほとんどなく、世間的にも美術品は触ってはいけないという意識も高いのではないでしょうか。レプリカを触れても本物を触れる美術館は滅多にありません。
オーストラリア出身で、現在、女子美術大学で教鞭をとりながら、”TOUCH”(タッチ)をテーマに作品作りに取り組むリンダ・デニス氏は、4年前より三重県の紀北町長島にて、漁網に出会い、手作業で網を編む体験をし、網は多くのより合わせた糸で作られ、そこに人間の絆を感じたといいます。それ以来漁網を使って、触れることのできる大きな作品作りに取り組んでいます。
直接美術品に触れることで、作者の意図や意思、熱量を直接肌で感じることができるのではないでしょうか。また、それによって様々な想像力を構築することにも繋がります。そして、美術品に触れて感じたことやイメージしたことを多くの人と共有することで、新しいコミュニケーション、新しい発想、新しい繋がりが生まれます。普段はさわれない美術品をさわって鑑賞することで、すべての人と感動や喜びを共有できる場となるはずです。
今回海の博物館の敷地内に新作1点とほか3点を展示します。